動物の愛護及び管理に関する施策を総合的に推進するための 基本的な指針
平成18年10月31日目次 環境省告示第140 号
第1 動物の愛護及び管理の基本的考え方
第2 今後の施策展開の方向
1 基本的視点
1
国民的な動物の愛護及び管理に関する活動の盛り上げ
2
長期的視点からの総合的・体系的アプローチ
3
関係者間の協働関係の構築
4
施策の実行を支える基盤の整備
2
施策別の取組
5
普及啓発
6
適正飼養の推進による動物の健康と安全の確保
7
動物による危害や迷惑問題の防止
8
所有明示(個体識別)措置の推進
9
動物取扱業の適正化
10
実験動物の適正な取扱いの推進
11
産業動物の適正な取扱いの推進
12
災害時対策
13
人材育成
14
調査研究の推進
第3 動物愛護管理推進計画の策定に関する事項
1 計画策定の目的
2
計画期間
3
対象地域
4
計画の記載項目
5
策定及び実行
1
多様な意見の集約及び合意形成の確保
2
関係地方公共団体との協議
3
計画の公表等
4
実施計画の作成
5
点検及び見直し
第4 動物愛護管理基本指針の点検及び見直し
第1 動物の愛護及び管理の基本的考え方
(動物の愛護)
動物の愛護の基本は、人においてその命が大切なように、動物の命についてもその尊厳を守るということにある。動物の愛護とは、動物をみだりに殺し、傷つけ又は苦しめることのないよう取り扱うことや、その習性を考慮して適正に取り扱うようにすることのみにとどまるものではない。人と動物とは生命的に連続した存在であるとする科学的な知見や生きとし生けるものを大切にする心を踏まえ、動物の命に対して感謝及び畏敬の念を抱くとともに、この気持ちを命あるものである動物の取扱いに反映させることが欠かせないものである。
人は、他の生物を利用し、その命を犠牲にしなければ生きていけない存在である。このため、動物の利用又は殺処分を疎んずるのではなく、自然の摂理や社会の条理として直視し、厳粛に受け止めることが現実には必要である。しかし、人を動物に対する圧倒的な優位者としてとらえて、動物の命を軽視したり、動物をみだりに利用したりすることは誤りである。命あるものである動物に対してやさしい眼差しを向けることができるような態度なくして、社会における生命尊重、友愛及び平和の情操の涵養を図ることは困難である。
(動物の管理)
人と動物とが共生する社会を形成するためには、動物の命を尊重する考え方及び態度を確立することと併せて、動物の鳴き声、糞尿等による迷惑の防止を含め、動物が人の生命、身体又は財産を侵害することのないよう適切に管理される必要がある。
このような動物による侵害を引き起こさないように適切に管理するためには、動物の係留、屋内での飼育、みだりな繁殖の防止等の措置を講じる等により、動物の行動等に一定程度の制約を課すことが必要となる場合がある。また、所有者がいない動物に対する恣意的な餌やり等の行為のように、その行為がもたらす結果についての管理が適切に行われない場合には、動物による害の増加やみだりな繁殖等、動物の愛護及び管理上好ましくない事態を引き起こす場合があることについても十分に留意する必要がある。
動物が人と一緒に生活する存在として万人に受け入れられるためには、動物と社会との関わりについても十分に考慮した上で、その飼養及び保管(以下「飼養等」という。)を適切に行うことが求められている。動物の所有者又は占有者(以下「所有者等」という。)は、自分が加害者になり得ることについての認識がややもすると希薄な傾向にあるが、すべての所有者等は加害者になり得るととともに、すべての人が被害者になり得るものであるという認識の下に、所有者等は、動物を所有し、又は占有する者としての社会的責任を十分に自覚して、動物による人の生命、身体又は財産に対する侵害を引き起こさないように努めなければならない。
(合意形成)
国民が動物に対して抱く意識及び感情は、千差万別である。例えば、家庭動物等の不妊去勢措置、ねこの屋内飼養、動物実験、畜産等における動物の資源利用、様々な動物を食材として利用する食習慣、狩猟等の動物の捕獲行為、動物を利用した祭礼儀式、外来生物の駆除、動物の個体数の調整、安楽殺処分等については、これらの行為が正当な理由をもって適切に行われるものである限り、動物の愛護及び管理に関する法律(昭和48 年法律第105 号。以下「動物愛護管理法」という。)やその精神に抵触するものではないが、現実には、これらの行為に対する賛否両論が国内外において見受けられる。
このように、個々人における動物の愛護及び管理の考え方は、いつの時代にあっても多様であり続けるものであり、また、多様であって然るべきものであろう。しかし、万人に共通して適用されるべき社会的規範としての動物の愛護及び管理の考え方は、国民全体の総意に基づき形成されるべき普遍性及び客観性の高いものでなければならない。また、動物愛護の精神を広く普及し、我々の身についた習いとして定着させるためには、我が国の風土や社会の実情を踏まえた動物の愛護及び管理の考え方を、国民的な合意の下に形成していくことが必要である。
第2 今後の施策展開の方向
1 基本的視点
(1) 国民的な動物の愛護及び管理に関する活動の盛り上げ
動物の適切な愛護及び管理は、国民の間における共通した理解の形成がなくては進み難いものである。動物の愛護及び管理に関する活動は、古い歴史を有し、多くの貢献をしてきたが、参加者層が限定的であったきらいがある。今後は、多くの国民の共感を呼び、幅広い層に対して自主的な参加を促すことができる施策を、学校、地域、家庭等において展開する必要がある。
(2)
長期的視点からの総合的・体系的アプローチ
動物の愛護及び管理に関する施策の対象となる動物は、家庭動物のみな
らず、展示動物、実験動物、産業動物等であり、人の占有に係る動物が幅
広く対象とされている。その施策の分野も、普及啓発、飼養保管、感染症
予防、流通、調査研究等、広範囲にわたっており、様々な実施主体によっ
て、それぞれに関係法令等に基づく施策が進められている。また、動物の
愛護及び管理に関する問題は、国民のライフスタイルや価値観等の在り方
に深く関わるものであるという性質を有しており、原因と結果が複雑に絡
み合っていることから、施策の効果や結果がすぐには現れないものが多い。
このようなことから、動物の愛護及び管理に関する施策を着実に進めてい
くためには、長期的視点から総合的かつ体系的に各種施策が取り組まれる
ようにしていく必要がある。
(3)
関係者間の協働関係の構築
動物愛護管理法の施行に関する事務の多くは、都道府県、地方自治法(昭和22 年法律第67 号)第252 条の19 第1項の指定都市(以下「指定都市」という。)及び同法第252 条の22 第1項の中核市(以下「中核市」という。) の所掌するところとなっているが、その事務を円滑かつ効果的に進めるためには、都道府県、指定都市及び中核市にとどまらないすべての地方公共団体の関与の下に、動物の愛護及び管理に関係している者の積極的な協力を幅広く得ながら、その施策の展開を図っていくことが肝要である。このためには、国、地方公共団体等の行政機関、獣医師会、業界団体、動物愛護団体、動物の所有者等の団体、学術研究団体、調査研究機関等の適切な役割分担の下に、動物の愛護及び管理に関する関係者のネットワークが国及び地域のレベルにおいて重層的に作られていくようにする必要がある。また、関係者間相互の共通認識の形成がしやすくなるように、施策の目標及びその目標達成のための手段等については、できる限り定量的かつ客観
的な内容を備えたものとすることが重要である。
(4) 施策の実行を支える基盤の整備
動物の愛護及び管理に関する施策の推進を図るためには、これを支える基盤の整備が重要である。このため、国及び地方公共団体においては、地域の実情を踏まえ、動物愛護推進員等の委嘱の推進、動物愛護団体、業界団体等の育成支援及び基幹的な拠点としての動物愛護管理施設等の拡充並びに調査研究の推進等による動物の愛護及び管理についての知見の拡充等を進めることにより、施策の実施体制のより一層の強化を図る必要がある。
2 施策別の取組
施策別の取組は次のとおりである。関係機関等は、これらの施策について、平成29 年度までにその実施が図られるように努めるものとする。
(1) 普及啓発
現状と課題
動物の愛護及び管理を推進するためには、広く国民が、動物の虐待の防止と動物の適正な取扱いに関して正しい知識及び理解を持つことが重要である。このため、国、地方公共団体等によって、動物の愛護及び管理の普及啓発事業が行われてきているが、動物の愛護及び管理の意義等に関する国民の理解は十分とはいえない状況にある。また、生命尊重、友愛等の情操の涵養の観点から、特に子どもが心豊かに育つ上で、近年、動物との触れ合いや家庭動物等の適正な飼養の経験が重要であることが指摘されてきている。このような現状において、国及び地方公共団体、獣医師会、業界団体、動物愛護団体、動物の所有者等の団体、学術研究団体、調査研究機関等を始めとした関係者の連携協力の下に、様々な機会をとらえて教育活動や広報活動等に取り組むことが求められている。
講ずべき施策
国及び地方公共団体は、関係団体等と連携しつつ、学校、地域、家庭等において、動物愛護週間行事や適正飼養講習会等の実施、各種普及啓発資料の作成、配布等により、動物の愛護及び管理に関する教育活動や広報活動等を実施すること。
(2) 適正飼養の推進による動物の健康と安全の確保
現状と課題
国民の約3分の1が動物を飼養しており(平成15 年現在)、また、近
年の少子高齢化等を背景とし、家庭動物等の飼養に対する志向が高まっ
ている。このような状況において、国、地方公共団体等によって適正飼
養を推進するための様々な取組が行われてきているが、依然として遺棄、
虐待等の問題の発生が一部において見られている。
また、都道府県、指定都市及び中核市における犬及びねこの引取り数は、従前に比べて大幅に減少したが、その絶対数は年間約42 万匹(平成16 年度)であり、そのうち約94%が殺処分されていることから、更なる改善が必要とされている。
講ずべき施策
アみだりな繁殖を防止するための不妊去勢措置の推進、安易な飼養の抑制等による終生飼養の徹底等により、都道府県、指定都市及び中核市における犬及びねこの引取り数を半減するとともに、元の所有者等への返還又は飼養を希望する者への譲渡等を進めることによりその殺処分率の減少を図ること。
イ 動物が命あるものであることを踏まえた適正な飼養方法、禁止行為の周知徹底等を行うことにより、遺棄及び虐待の防止を図ること。
(3) 動物による危害や迷惑問題の防止
現状と課題
動物の不適切な飼養に起因して、動物による危害及び多数の動物の飼
養等に起因し周辺の生活環境が損なわれる事態等の迷惑問題が発生して
おり、地方公共団体等に寄せられる苦情等も依然として多い状況にある。
動物による危害及び迷惑問題は、所有者等とその近隣住民等との間で感
情的対立を誘発しやすいなどの性格を有していることもあるため、行政
主導による合意形成を踏まえたルール作り又はルール作りに対する支援
等が期待されている。
また、平成17 年6月に動物愛護管理法の改正が行われ、人の生命、身体又は財産に害を加えるおそれが高い特定動物については、地方公共団体の必要に応じた条例による飼養許可制から法による全国一律の飼養許可制とされたところである。
講ずべき施策
ア地域における環境の特性の相違を踏まえながら、集合住宅での家庭動物の飼養、都市部等での犬やねこの管理の方法、所有者のいないねこの適正管理の在り方等を検討し、動物の愛護と管理の両立を目指すことのできるガイドラインを作成すること。
イ
国は、動物による人の生命等への危害の発生防止のより一層の徹底を図るために、有識者等の意見を聴きながら特定動物の選定基準の在り方を検討すること。
(4) 所有明示(個体識別)措置の推進
現状と課題
犬又はねこに関する所有者の明示(個体識別)(以下「所有明示」という。)の実施率は、平成15 年度現在、約25%にとどまっている。動物の所有者が、その所有する動物が自己の所有に係るものであることを明らかにするための措置を講ずることは、動物の盗難及び迷子の発生の防止に資するとともに、迷子になった動物の所有者の発見を容易にし、所有者責任の所在の明確化による所有者の意識の向上等を通じて、動物の遺棄及び逸走の未然の防止に寄与するものである。このような所有明示措置の意義及び役割等についての国民の理解を深めるとともに、各種識別器具の普及環境の整備等を推進すること等により、所有明示の実施率の向上を図る必要がある。
講ずべき施策 ア所有明示措置の必要性に関する意識啓発を行うなどにより、犬又はねこに関する所有明示の実施率の倍増を図ること。
イ 関係省庁及び団体の協力の下に、公的機関によるデータの一元的管理体制の整備、個体識別技術の普及、マイクロチップリーダーの配備等、個体識別手段の普及のための基盤整備を図ること。
(5) 動物取扱業の適正化
現状と課題
従前の動物取扱業に係る届出制の下では、不適切な動物の取扱い等に対して、勧告又は命令等を行っても改善が見られないなどの悪質な事例が存在しており、また、このような事例以外においても、動物取扱業全般について施設や管理の水準の向上が必要な状況にあった。このため、平成17 年6月に動物愛護管理法の改正が行われ、動物取扱業については、それまでの届出制から登録制とされたところである。本改正の趣旨を踏まえて、動物取扱業のより一層の適正化を図るため、動物取扱業の登録制度の着実な運用を図る必要がある。
講ずべき施策
ア動物を飼養等しようとする者等に対し、動物取扱業者に対し標識等の掲示、販売時における動物の特性及び状態等に関する事前説明の実施等が義務付けられたことについての周知徹底を図ること。
イ優良な動物取扱業者の育成策を検討し、業界全体の資質の向上を図ること。
ウ
国は、動物の健康及び安全の確保のより一層の推進を図るために、有識者等の意見を聴きながら幼齢な犬及びねこの販売制限の在り方を検討すること。
(6) 実験動物の適正な取扱いの推進
現状と課題
実験動物の飼養等については、実験動物の飼養及び保管並びに苦痛の軽減に関する基準(平成18 年4月環境省告示第88 号。以下「実験動物の飼養保管等基準」という。)に基づき、自主管理を基本としてその適正化を図る仕組みとなっているが、本基準の遵守指導等を円滑に行うための体制整備が十分にされていない施設が一部にある。動物を科学上の利用に供することは、生命科学の進展、医療技術等の開発等のために必要不可欠なものであるが、その飼養及び科学上の利用に当たっては、動物が命あるものであることにかんがみ、科学上の利用の目的を達することができる範囲において、国際的にも普及し、定着している実験動物の取扱いの基本的考え方である「3Rの原則」(代替法の活用:Replacement、使用数の削減:Reduction、苦痛の軽減:Refinement)を踏まえた適切な措置を講じること等が必要とされている。
講ずべき施策
ア関係省庁、団体等と連携しつつ、「3Rの原則」や実験動物の飼養保管等基準の周知が、効果的かつ効率的に行われるようにすること。
イ 国は、実験動物の飼養保管等基準の遵守状況について定期的な実態把握を行うこと。
(7) 産業動物の適正な取扱いの推進
現状と課題
動物の愛護及び管理の観点からする産業動物の適正な取扱いについては、国際的な動き、関係法令等との整合性、我が国の実情等を踏まえた上で飼養等の在り方を検討し、その普及啓発を進めていく必要がある。
講ずべき施策 ア 国は、動物の愛護及び管理に配慮した産業動物の飼養等の在り方を検討し、産業動物の飼養及び保管に関する基準に反映すること。
イ 産業動物の性格に応じた動物の愛護及び管理の必要性に関する普及啓発を推進すること。
(8) 災害時対策
現状と課題
地震等の緊急災害時においては、動物を所有又は占有する被災者等の心の安らぎの確保、被災動物の救護及び動物による人への危害防止等の観点から、被災地に残された動物の収容及び餌の確保、特定動物の逸走防止及び捕獲等の措置が、地域住民、国や地方公共団体、獣医師会、動物愛護団体等によって行われてきている。今後とも引き続きこれらの措置が、関係機関等の連携協力の下に迅速に行われるようにするための体制を平素から確保しておく必要がある。
講ずべき施策
ア地域防災計画等における動物の取扱い等に関する位置付けの明確化等を通じて、動物の救護等が適切に行うことができるような体制の整備を図ること。
イ 動物の救護等が円滑に進むように、逸走防止や所有明示等の所有者の責任の徹底に関する措置の実施を推進すること。
(9) 人材育成
現状と課題
動物の愛護及び管理に関する施策の対象は、広範かつ多岐にわたって
おり、施策の実施に当たっては相当の知識や技術が必要であることから、
地方公共団体は、獣医師等動物の適正な飼養及び保管に関し専門的な知
識を有する動物愛護担当職員を置くことができることとされている。
また、動物の愛護及び管理に関する施策の中には民間の有識者等による対応を求めることによって、行政の限界を超えて地域に根付いた形で動物の愛護及び管理が広がっていくことが期待される課題もある。しかし、例えば都道府県知事、指定都市及び中核市の長により委嘱された動物愛護推進員等の人数は、平成15 年度末現在、98 地方公共団体中21 地方公共団体、約1400 人にとどまっているなど、民間の有識者等に対して協力を求めることができるような体制の整備は十分とはいえない状況にある。このため、動物愛護推進員等の人材の育成等を積極的に推進していく必要がある。
講ずべき施策
ア動物愛護管理行政の担当者の専門的な知識や技術の習得に対する支援を行うこと。 イ関係地方公共団体等における協議会の設置及び動物愛護推進員等の委嘱を推進すること。
ウ 国及び関係地方公共団体等における官民の連携事業を推進すること。
(10) 調査研究の推進
現状と課題
動物の愛護及び管理に関する調査研究は、関係する分野が多岐にわたり、かつ応用的であるといった特徴を有していることから関係学会等は広範にわたっており、その知見等が体系的に整理されているとはいえない状況にある。多くの国民の共感を呼び、自主的な参加を幅広く促すことができる動物の愛護及び管理に関する施策を進めるためには、科学的な知見等に基づいた施策の展開も重要であることから、動物の愛護及び管理に関する調査研究を推進する必要がある。
講ずべき施策
ア全国及び地域の各レベルにおいて連絡協議会を設置すること等により、行政機関と関係学会等の学術研究団体及び調査研究機関との連携体制の整備を図ること。
イ 関係機関が協力して、調査研究成果等に係る目録の作成を行うこと。
第3 動物愛護管理推進計画の策定に関する事項
1 計画策定の目的
動物愛護管理推進計画(以下「計画」という。)は、基本指針に即して、地域の実情を踏まえ、動物の愛護及び管理に関する行政の基本的方向性及び中長期的な目標を明確化するとともに、当該目標達成のための手段及び実施主体の設定等を行うことにより、計画的かつ統一的に施策を遂行すること等を目的として策定するものとする。
2 計画期間 基本指針との体系的な整合性を確保するため、計画期間は、原則として平成20 年4 月1 日から平成30 年3 月31 日までの10 年間とする。
3 対象地域
対象地域は、当該都道府県の区域とする。
4 計画の記載項目
計画の記載項目については、動物愛護管理法第6条第2項に、動物の愛護及び管理に関し実施すべき施策に関する基本的な方針、動物の適正な飼養及び保管を図るための施策に関する事項、動物の愛護及び管理に関する普及啓発に関する事項、動物の愛護及び管理に関する施策を実施するために必要な体制の整備(国、関係地方公共団体、民間団体等との連携の確保を含む。)に関する事項及びその他動物の愛護及び管理に関する施策を推進するために必要な事項と規定されているところであるが、これらを踏まえ、地域の事情に応じ、記載事項の追加及びそれらの構成の在り方等について、必要に応じて検討するものとする。
5 策定及び実行
(1)
多様な意見の集約及び合意形成の確保
計画の策定に当たっては、多様な意見、情報及び専門的知識を把握するとともに、それらを必要に応じて計画に反映させるために、学識経験者、関係行政機関、獣医師会、関係業界団体、動物愛護団体、動物の所有者等の団体、地域住民、研究機関等からなる検討会を設置するなどして、計画の策定及び点検等を行うよう努めるものとする。また、計画の策定過程等の透明性の向上及び計画内容についての合意形成等を図るために、必要に応じてパブリック・コメント等を行うものとする。
(2) 関係地方公共団体との協議
動物愛護管理行政の推進には、都道府県が主要な役割を果たしているが、
指定都市においては動物取扱業の登録及び特定動物の飼養許可に関する事
務等、中核市においては犬又はねこの引取りの事務等を実施している。ま
た、動物の愛護及び管理の普及啓発、地域住民に対する直接的な指導等で
は、すべての市区町村においてその役割が期待される場合もある。このた
め、より計画の実効性を高めるために、計画を策定し又は変更しようとす
るときは、あらかじめ関係市区町村の意見を聴くものとする。なお、一の
都道府県の区域を越えて発生している問題等があり、広域的な視点からの
対応が必要と考えられる場合は、必要に応じ、国は技術的助言を行うこと
等により、関係都道府県等との連絡調整等を円滑に行うことができるよう
努めるものとする。
(3) 計画の公表等
計画が策定された後は、速やかに公報等により公表するとともに、環境大臣に連絡するものとする。
(4) 実施計画の作成
必要に応じて、動物の愛護及び管理に関する施策に係る年間実施計画等
を策定し、多様な主体の参加を広く得ながら、計画の推進を図るよう努め
るものとする。
(5) 点検及び見直し
動物の愛護及び管理に関する行政の着実な推進を図るため、毎年、計画
の達成状況を点検し、施策に反映させるものとする。また、基本指針の改
定等に合わせて、必要な見直しを行うものとする。
第4 動物愛護管理基本指針の点検及び見直し
動物の愛護及び管理に関する行政の着実な推進を図るため、毎年度、基本
指針の達成状況を点検し、その結果を施策に反映させることとする。なお、
点検結果については、その概要を公表するものとする。
また、状況の変化に適時的確に対応するため、策定後概ね5年目に当たる平成24 年度を目途として、その見直しを行うこととする。